YOUCHAN個展 文学山房 おおさか秋の陣



「YOUCHAN個展 文学山房」開催に寄せて 

 YOUCHANの作品をはじめてそれと意識して見たのは、たしか2006年のことだ。当時会社勤めをしていた。会社の寮にインターネットはつながっていなかったから、会社のPCで、サイトを閲覧していた。「キャラコさん」で検索をした。当時、三一書房の久生十蘭全集を順に読んでいたのだ。すぐに、可愛らしいキャラコさんのイラストがヒットした。イラストが掲載されたブログのコメントから、このイラストレーターの、作品への愛情が伝わってくる。ウェブサイトを確認すると、乱歩や百けん、ヴォネガットといった奇想作家の作品がイラスト化されている。どれも好きな作家だ。イラストはどれも柔らかい色づかいで、その作品の要素が、一枚の絵の中に、大胆に構成されている。かわいらしく、洒落たデフォルメが施された登場人物たちが、絵の中でどうふるまうのか、そんなことをつい想像してしまう。
 気がつくと同じ絵を何度も眺めていた。
 ブログを定期的に閲覧するようになり、このイラストレーターが作品展を行うことを知った。はじめての「文学山房」だったはずだ。
 休日出勤を重ねる広島在住のサラリーマンが、その展覧会を見に行くことはなかった。
 約一年後、いろんな偶然が重なり、珈琲舎・書肆アラビクというブックカフェを立ち上げることになった。ギャラリースペースを設けたい。好きな画家、イラストレーターが思い浮かぶ。個展やグループ展もできればいいな。そのときすでに、YOUCHANのことを考えていた。ほんとうの話だ。
 とはいえ一面識もない。開店後、忙しい毎日はずっと続いていた。そんなある日、YOUCHANが、アラビクにご来店くださるという連絡があったのだ。どうしてそうなったのかは覚えていない。開店した際、いろんな方に挨拶状、メールを出したから、YOUCHANにもたまさか情報が届いたのかもしれない。ともあれ、YOUCHANがきてくださった。博文館の『キャラコさん』をお見せしたり、森田たまの『ホテルの人々』を買っていただいたりしたことを覚えている。たしか飲んでいただいたのはカフェオレだったか。
 それから企画展「ニンギョウ・エキゾチカ」にイラストをご出展いただく運びになった。翌年、「文学山房3」をツアーにしたい、と書かれている日記を見た。お誘いを受けたのがこちらだったのか、こちらからお誘いをしたのか、もう覚えていない。いずれにせよ、こちらからはオファーをする気満々だったのだ。
 こちら側からの一方的な記憶だ。このような経緯をいままで話したこともない。YOUCHANからは「あ、それ違う」ということもあるだろう。
 それにしても、トントン拍子に開店当初に見た夢がかなった。
 夢のような作品に囲まれた、夢のような作品展である。いちファンとして、とても楽しみなのである。
 
書肆アラビク 森内 憲




(画像の無断転載等を禁じます。宣伝等にご協力いただける方は、主催者である書肆アラビクにご連絡ください)


作家メッセージ
「文学山房」とは古今東西の文学作品を絵に起こすYOUCHANの個展で、東京で3回開催されました。この文学山房が、初めて東京を飛び出します。「文学山房 おおさか秋の陣」では、これまでの作品からアラビク仕様に厳選、展示作品の販売はもちろんのこと、モチーフとなった文学作品収録の書籍販売もございます。関西の皆様にお目にかかれるのを今から楽しみにしています。


(作家サイト) YOUCHAN'S ILLUSTRATION PARK




会期:2010年10月7日(木)-19日(火) 午後1時30分-午後9時(日曜祝日は午後8時まで)水曜定休
    作家在廊(予定) 16日(土)-18日(月) 

会場・連絡先:
〒530−0016
大阪市北区中崎3-2-14
珈琲舎・書肆アラビク/Luft
tel/fax 06-7500-5519
mail cake★qa3.so-net.ne.jp (★を@に変換)
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本展にて作品ご成約の方に、作家・太田忠司先生とYOUCHANのダブルサイン入りのミステリーYA!特製ブックカヴァーをプレゼントいたします。尚、数に限りがありますので、ご了承ください。


協力:理論社